採用サイトを30万円で作る、Wantedly では届かない層を狙う
採用サイトを安く作りたい、で検索すると、上位は「採用サイト制作 100万〜」と書いてある制作会社か、 Wantedly や engage のような採用プラットフォームの紹介記事。 実際に欲しいのは「自社の世界観で出したいけれど、100万は出せない」という30〜50万の帯のはずなのに、 その温度の情報がほとんど落ちていない。受託で何件か受けた立場から、この帯で何が組めるかを書く。
採用サイトが、コーポレートサイトよりちょっと高くなる理由
同じ5〜8ページ構成のサイトでも、採用サイトはコーポレートサイトより少しだけ高くなる。 理由は3つ。応募フォームの作り込みが必要、社員インタビューや職場写真の比重が高い、 求人情報の出し方が職種ごとに違うので構造化が要る。
コーポレートサイトを30万で受ける場合と同じ作業日数で組もうとすると、 採用サイトは応募フォームと社員紹介テンプレートが乗ってくるぶん、ちょっとはみ出す。 だから30万の帯で組むなら、撮影と原稿を発注者側で持ってもらうのが前提になる。
30〜50万の帯で組める採用サイト
この予算で受けるなら、5〜7ページくらいで設計するのが現実的。
- トップ(採用キービジュアル、募集職種、文化を1ページに)
- 会社・事業紹介(コーポレートからの転載でも可)
- 社員インタビュー(2〜4人分)
- 募集要項(職種別、3〜6職種くらい)
- 応募フォーム(職種選択、履歴書アップロード、自由記述)
- FAQ・選考フロー
応募フォームは Google Forms をそのまま貼るパターンと、サイト内に独自フォームを作って Resend 経由でメール通知するパターンがある。 前者は0円、後者は実装に1〜2日。 ATS(Greenhouse、HRMOS、SmartHR)を使っているなら、それぞれの応募リンクに飛ばすだけにして、サイト側でフォームを持たない構成にもできる。 この選択で予算が10万くらい上下する。
社員インタビューの扱い方
採用サイトで一番値段が動くのは、インタビューと写真。 4人分のインタビューを業者側で取材して撮影して原稿化すると、それだけで20〜30万乗る。 30万の帯でやるなら、ここは発注者側でやる前提にする。
具体的には、社員に1人30分の質問シートを送ってテキストで回答してもらう。 写真は社内で iPhone で撮ったものか、過去の会社イベント写真を流用する。 プロカメラマンを呼ぶなら、半日撮影で5〜10万、編集込みで10〜15万くらいが相場。
制作会社で100〜200万になる構造
同じ採用サイトを制作会社に頼むと、相場は80〜250万。 ブランドサイト寄りの作り込み(独自フォントを使ったタイポグラフィ、アニメーション、社員紹介の動画化)まで入れると300万を超えることもある。
差はやっぱり、人件費階層と中間マージン。 制作会社の100万は、デザイナー・PM・ディレクター・コーダー・採用コンサルが薄く関わって、 オフィス固定費とリスクバッファが乗った結果としての100万。 個人法人の30万は、1人が同じ作業日数で動く結果としての30万。
ただし、100万の帯になると入ってくる要素もある。 採用ブランディングのコンサル、ペルソナ設計、コピーライティング、撮影込み。 ここが要るかどうかで、頼む相手が変わる。 コピーや戦略を社内で持っている会社なら、30万の帯で十分。 ブランディングからまるごと頼みたいなら、100万の制作会社か、もしくは採用ブランディング専門の代理店。
Wantedly・engage と自社採用サイトの違い
「自社サイト要る?Wantedly でいいんじゃない?」と社内で出ることがある。 Wantedly は月15万くらいから、engage は無料プランあり。 ここを選ぶか、自社で30万を出すかの判断は、結局この一点に集約される。
プラットフォーム経由の応募で十分な人材が来るか、自社の世界観で見せないと届かない層を狙うか。 エンジニア・デザイナー職で、技術ブランドや文化を見せたいなら自社採用サイトのほうが効く。 営業職・店舗職で、応募数を集めたいだけなら、プラットフォームのほうが速い。
両方やる、というのが実態としては多い。 Wantedly や Indeed で間口を広げて、興味を持った人が自社採用サイトで詳細を見て応募、という導線。 この場合、自社採用サイトは「最後の説得材料」として機能するので、30万の帯でしっかり作る価値がある。
公開後の運用
採用サイトは、公開して終わりではない。 募集職種が増えたら募集要項を追加する。 社員インタビューを定期的に追加する。 選考フローが変わったら更新する。 この運用をどうするかを、契約段階で握っておかないと、半年後にサイトが古くなって応募が止まる。
WordPress や microCMS を入れて、人事側で文言を編集できるようにする場合、 構築費に20〜30万上乗せが相場。 編集頻度が月1〜2回しかないなら、CMS を入れずに「修正は業者に都度依頼、1回1〜2万」のほうがトータルで安く済むことが多い。 年間で6〜10万の運用費の帯。
逆に、月10件以上の更新が見込まれる規模感(採用人数が多い会社、複数事業部で募集職種が多い会社)なら、CMS は最初から入れたほうがいい。 ATS との連携で募集要項を自動同期する構成も組める。これは50〜80万の帯。
頼む前に決めておくと話が早いこと
「採用サイトを30万で」と問い合わせて見積もりが揃わないのは、スコープ解釈が業者ごとに違うから。 最低限ここを発注者側で揃えておくと、複数業者の見積もりが同条件で比較できる。
募集職種の数(今と1年後の見込み)。 応募フォームを自社で持つか、ATS連携にするか。 社員インタビューを何人分入れるか、撮影・原稿は発注者側でやるか。 既存のコーポレートサイトとデザインを統一するか、別の世界観で作るか。
この4点が揃っていれば、業者ごとの見積もりの幅が30万→50万→100万のどこに収まるか、依頼前に予想がつく。
進め方
要件が固まっているなら、見積もり依頼フォームから条件を出すと、2〜4社の掲載企業から1〜2日で提案が届く。 固まっていないなら、運営に相談する形でも構わない。 要件を聞いてから「これは30万」「これは50万」「これは100万」のラインを引いていくほうが、結果として早い。
採用サイトは、求人媒体の出稿費と比べると一見高く見えるけれど、3〜5年は使えるので、年あたりに割ると意外と安い。 その目線で予算を考えると、30万の帯で出すか、もう少し足して50万の帯で作り込むかの判断がしやすくなる。
採用サイト制作の条件を入力するだけで、対応企業から見積もり提案が届きます。要件が固まっていなければ、運営に相談する形でも構いません。